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【通勤手当と所得税、消費税の取り扱い】

2011/10/08

会社が従業員に支給する通勤手当は、一定の金額を超えなければ所得税が非課税とされています。

 

まず、電車やバス等の交通機関を使って通勤している場合には、「合理的な通勤定期乗車券の価額」までが非課税とされてます。この範囲には、新幹線通勤も含まれますが、非課税の最高限度額は1月あたり10万円とされており、超えた部分については所得税が課税され、給与として源泉徴収しなければなりません。

次に、自動車等を使って通勤している場合には、通勤距離に応じて非課税限度額(月額)が定められています。

通勤距離が片道45km以上の場合は 24,500円、

35km以上45km未満の場合は20,900円、

25km以上35km未満の場合は16,100円、

15km以上25km未満の場合は 11,300円、

10km以上15km未満の場合は6,500円、

2km以上10km未満の場合は4,100円

がそれぞれ非課税限度額とされ、片道2km 未満の場合には、支給した通勤手当は全額が課税されます。

 

また、通勤距離が片道15km以上の場合には、この通勤距離に応じた額ではなく、交通機関を使用したとしたならば必要となります。

通勤定期の額を支給して いても、10万円を上限として非課税とされる特例がありますが、この特例は平成23年で廃止されます。

 

平成24年1月1日からは、支給される通勤手当が通勤距離 に応じた非課税限度額を超えた場合には課税されることになります。

 

通勤手当の支給の仕方としては、会社が定期券を支給する場合や、毎月の給与に手当を加算して支給する場合等がありますが、給与に加算して支給する場合には、その金額を「通勤手当」として給与明細で区分しておくことが必要であります。

区分せずに支給総額に含めて支給した場合には、全額が給与として課税されることになります。

 

一方消費税では、通勤手当は課税仕入れに該当します。

通勤定期券等の費用のみならず、自動車等を使って通勤する者に現金支給する通勤手当も、非課税限度額内であれば同様に課税仕入となります。

 

交通機関を使用して通勤している者に対して支給した通勤手当が10万円を超えた場合には、「給与」として所得税が課税されますが、この超えた部分の金額についても課税仕入とすることができます。

 

グリーン車などの特別料金は、それを利用しなければならない特別の事情等がなければ原則として所得税の課税対象となりますが、消費税では特別料金の額も課税仕入となります。

 

なお、非常勤役員などが出社する場合に、出社の都度交通費を支給していれば、所得税では非課税となり、消費税では課税仕入となります。

遠隔地に住んでいる場合には宿泊が必要となる場合がありますが、宿泊費についても所得税は非課税、消費税では課税仕入となります。